三河争乱を経て出航した航空都市艦・武蔵は、英国をめざす航海の途上にあった。目的は、英国に武蔵への協力を取りつけること。しかし、後に控えているアルマダ海戦で英国と敵対することになる三征西班牙は、それを阻止するため武蔵を襲撃。陸上部や野球部員らによる波状攻撃、さらには聖譜顕装や重武神・道征白虎までも持ち出してくる三征西班牙に、武蔵は苦戦を強いられる。本多・正純が休戦を呼びかけるも攻撃の手は一向に緩まず、ついには副会長フアナが大罪武装「嫌気の怠惰」の超過駆動を発動させる。もはや打つ手なしかと思われたその時、現れたのは"リアル派"――!?
【用語説明】
■アルマダ海戦(アルマダかいせん)
歴史上では1588年に起こった、スペインによるイングランドへの侵略戦争の節目となった海戦。新規艦隊を建造したスペインがイングランドへの上陸を企てるものの、イングランド周辺を逆時計回りに一周して撤退することとなり、スペインは大損害を被った。
■聖譜顕装(せいふけんそう)
かつて聖譜所有国に配られた聖譜を守るための神格武装。七大罪に対応する七つの枢要徳をモデルとしており、聖譜に新代と旧代があるため、全部で7組14個が存在する。聖譜を燃料源とするため各国の領域地脈上でしか使うことができない。
■身堅き節制・旧代(みがたきせっせい・きゅうだい)
三征西班牙に預けられた聖譜顕装のうちのひとつ。副長の弘中・隆包が所有する。相手の時間を倍に引き延ばすという能力を持つ。
■身堅き節制・新代(みがたきせっせい・しんだい)
三征西班牙に預けられた聖譜顕装のうちのひとつ。書記のベラスケスが所有する。相手の能力を使用回数だけ分割減する効果を発揮する。
■道征白虎(みちゆきびゃっこ)
三征西班牙の旗機となる重武神。第二特務、江良・房栄が所有する。50年前と30年前の歴史再現による旧派反乱の際に、反乱側により作られた「四聖」と呼ばれる神格武装級の武神のうちの一体。「大道」という、いかなる状況や場所でも道として行く絶対の足場と回避の能力を持つ。
■十字砲火(アルカブスクルス)
立花・◆が使用する武装。十字架状の長砲で、普段は義腕の二律空間に格納してある。(◆は門構えに言)
■嫌気の怠惰(いやけのたいだ)
「嫌気」を司る大罪武装。所有者はフアナ。超過駆動を発揮させると、対象となった相手が「自分にとって悪である」と理解している箇所に「嫌気」の力を掛けて束縛する。
■英国(えいこく)
極東の西の海上にある浮上島国家。極東の土地や大名を支配していない。浮上島は南北31km、東西30km、上下4kmという大きさで、上下四階層の構造を持ち、数多くの異族が住む。
■グラニュエール
英国オクスフォード教導院所属の護衛艦。艦長はグレイス・オマリ。
■女王の盾符(トランプ)
アルマダ海戦に備えてベン・ジョンソンが考案した組織。生徒会と総長連合の役割を兼ねる。メンバーは総勢14人。
■巨きなる正義・旧代(おおきなるせいぎ・きゅうだい)
英国が持つ聖譜顕装のうちのひとつ。銀色の巨大な両手甲の形をしており、左右で効果が異なる。ダッドリーは左手側を所有。振り下ろすことで一定の範囲内にある武器を遠隔操作する。
■浅間さまが射てる(あさまさまがいてる)
マルガ・ナルゼによる、浅間・智をネタにした同人誌。
■幾重言葉(いくえことば)
トゥーサン・ネシンバラが使う術式。文章の神、スガワラ系イツルに奉納した文章を願掛けとしてその内容を再現する。相当の文章を書く必要があるため、発動には時間がかかる。