喜美の高嶺舞から、ヨシナオの決断、トーリ、梅組のみんな、サプライズキャラ、特殊エンディングと、この話数からラストに向かっての物語の加速感は今見てもなおワクワクします。
川上さんとさとやすさんから生み出されたキャラクターをお預かりしてスタッフ皆で一生懸命アニメ化しております。
生みの親ではありませんが、愛情を持って作画したキャラはどいつもこいつもイイやつで、バカヤローで、カッコ良くて、最高なキャラ達なので今後共楽しく見守って上げてくださいませ。
ではでは。
「境界線上のホライゾン」サンフェス上映話数投票企画にご投票いただきました皆様、そして上映会にご参加の皆様、有難うございました。監督の小野学です。
前回のサンフェスでは上映できなかったこの10話ですが、とにかく劇場の大画面でど派手なバトルアクションを観て欲しくて選びました!
艦隊戦あり、浅間のズドンあり、集団戦ありとバトル盛りだくさんですが中でも双嬢と武神の空戦は激アツ‼
4年たって見返して、この密度の戦闘をテレビのスケジュールの中でよく作ったな~と、4年後の自分は心穏やかにその出来栄えに感動するのですがおそらく当時の自分とスタッフたちがこの気の緩んだ感想を聞いたら即ズドンされそうだった当時の現場を思いだしつつ、当時オールラッシュを観て出てきた自分の言葉でこのコメントを締めさせていただきます。
「まさに劇場レベル‼どこかの劇場で上映会とかできないかな?」
4年越しに叶いました、どうぞお楽しみください。
大量の原作ページ数に埋もれながら脚本作業していた2期もクライマックスです。永久に続くかに思えた素潜り中に、ゴールのプールの壁が水の向こうにうっすら見えた感じでしょうか(汗
2期10話はアルマダ海戦序盤と並行して個別戦闘が印象深い話数です。ロンドン組の多くは前半の戦闘で苦杯を舐めているキャラが多く、一層盛り上がります。
個人的にはシェイクスピアvsネシンバラの作家対決が好きですね。著名なマクベス、リア王を下敷きにした文章の具現化による戦闘というのは、脚本を書きながら、いったいどんな映像になるのかワクワクしていました。
実際にできた映像は想像以上のものでした。特にラストのシェイクスピアの笑顔は最高ですね!
大画面で花が咲くの観てみたいよね。
前回にて「俺の嫁頑張った部門」で一期九話に続き二位となったこの話。メアリに対する点蔵の告白がメインではありますが、十話で始まったナルゼ、喜美と、ダッドリーとセシルの戦闘が決着するのはこの回。よって十話と十一話が並ぶことで姉ちゃん完全降臨!
コミケが間近に迫った夜、ナルゼの「入稿──!」を聞いてみるのも乙じゃないでしょうか。
なお、小野Dさんが収録で「自分が演じて告白が通る役って、凄く珍しいので、気合い入れました」と仰っていた通り、金・髪・巨乳──! の箇所だけでなく、各所燃えますね。
ともあれとにかく点蔵の気合い入った回だったりしますが、ウオルターとの攻防、メアリとエリザベスの絡みや三百人の見送りなど、全体の密度はえらく高い回です。
後半戦からは三征西班牙との戦闘が巻き返し始め、武神隊への迎撃やサンマルティンの正体暴露などと続きます。これらは十話からの引き続きとなるので、二期十話、十一話は連続性が高いですね。この後、三征西班牙とのエール交換から繋がるセグンドの本気や双嬢の復活、武蔵一回転と繋がる訳ですが、続きは自宅でね!? というか帰宅して残り二話を観るまでがサンフェスです。よく考えたらシメが二代のセックスネタってのが如何にもホライゾンらしい気もします。
なお、自分でやっといて何ですが、点蔵の告白シーンを観るたびにキャラコメの「バーモント!」を思い出していかんですね。
頼まれても無いのに横からコメントって感じですが、藤井さんによる今話セレクト。喜美の高嶺舞から階段降りに三面見開きの再現と、ホニメを代表する回の一つだなあ、と改めて思います。前にも書きましたが、階段降りの際の表情や視線の行き先など、細かいキャラの関係が見えていたりで、原作の今に通じると気付く部分も多いのではないでしょうか。
藤井さん始め、スタッフの力量や気遣いや作り込みが、単に動きだけではなく、いろいろな部分で見える回です。
いやホント、いい仕事して頂きました。
「キャー鹿角サーン」
これもホニメを代表する回の一つだと思います。鹿角と武神の砲弾の遣り取りは、カットのズームと引きの緩急が今見てもえらい切れ味良かったりで。後半の戦闘もですが、忠勝達のラストシーンがホント何もかも持っていってしまいますよねー……。
平行線の遣り取りから境界線へ至る道。原作では近刊でそのあと広義のプロレスでしたが、この頃は真面目だ……。脅威の長台詞など、音の現場での力量がとにかく発揮された回です。ちょっとあり得ない高レベル技が普通に出てる感というか。二代の戦闘も前半にあって、贅沢な回だと思います。
大画面で、解決から一気にロングに引くのは見てみたいですよねー……。
双嬢第二形態から武蔵一回転の点蔵様好き好きホームランの原型打ちと、今に繋がる要素が結構多い回です。今回、一気九話がセレクトに入ってるのでこれも入ると双嬢二連発だったなー、と思ったりですね。この回もホニメを代表する回というか、ある程度見てしまうとこの回でシメないと気が済まない人も多いんじゃないでしょうか。
魔女の再起戦、猟犬と狼、同人作家とプロ作家と、どちらも立場としがらみなど含みで戦い合う戦闘や、艦隊戦まで入ったお得回。とにかく情報量多いので脚本が溢れる溢れる。浦畑さんが毎度苦労してるんですが、この回については「これ以上無理だろー」みたいなぎりぎりまで作業されてました。ナルゼに対するダッドリーとセシル、そこに乱入する喜美と、一期九話に並ぶ「頼りになる姉ちゃん」回だったりします。
台詞は、原作から筋道と印象を優先して抽出されているので、ミトツダイラもネシンバラもえらく格好いいというか。そして鈴木さん渾身作画のリア王と道真の戦闘。ホライゾンでなければあり得ない戦闘だなあ、と浦畑さんと話した記憶があります。
音楽がえらくハマってる回でもありますが、ミトの戦闘曲の他、本来なら再起や決起に使用されることを想定した「決意を秘めて」を戦闘に持ち込んだ小野さんのセンスはやっぱ凄いですね。これに乗せてマクベスが重そうに動くのがいいんですよ、ええ。
何気ない日常を追っていたようで、それが急転する第四話。五話目の「キャー鹿角サーン」もですが、初見のインパクトとしてはやはりこの話を推す向きも多いんじゃないでしょうか。
戦闘シーンは鈴木さんの渾身で、アスファルトブレードやそれを振り回したり足場にしたりと、遊びと説得力の両立が素晴らしい……。なお、名古屋はロケがベースなのでホントにあの背景あります。
主人公が主人公してる……! ミトツダイラの大暴れですが、何気に最後朱雀で突っ込んでくる直政が凄いというか、流石シロジロを殺す気で殴った女。そこからピンチに至って流体供給術式解放ですが、その前後、術式を認可する浅間やハナミの表情に始まり、他の皆の態度や奮起からトーリへの関係が見えるのもこの回の良さですね。
武蔵さんに惚れて浅間の砲撃シーンに燃えたあと、双嬢の空中戦で完全燃焼! どんだけ詰め込んでるんだ、って回ですが、冒頭から西日の空気で画面作りがえらく高級感あります。
なお、セレクトの際、小野さんが他の人に気を遣いまくりで、最後にポツリと「一期十話、大変だったんだよなあ……」と漏らしたのを皆で「じゃあそれ入れなきゃ!」と揃えて決定となったのをチクっておきます。一期でこの回が出来たとき、あまり自己評価しない小野さんが打ち合わせで映像を見ながら「十話、劇場版クラスでやっちゃったなあ……」と言って、こりゃ相当だなあ、と思った記憶があります。ホニメ全体を通してみても「何が起きたの……!?」みたいなインパクトは有数な回だと思います。
戦場でエール交換して、それが正しく感じられるアニメなんてまず無いよな……、としみじみ思いますが、個人的には一人になっても突撃していく隆包が印象深いです。最後まで勝つつもりでいるというのには、皆、ついていくよなあ、と。なお、バルデス戦もですが、カレーもここからきっちり活躍。恐ろしい回だ……。
朱雀と白虎の決着も、直政の男前度がえらく際立っていていいですよね。この後の三征西班牙との関係は原作にて「戦争だ……!」とかなってますが、大体武蔵側が悪い気がします。
最後、二代と誾の戦闘は、体術と発想主体で難所を切り抜ける二代を丁寧に描いていて、全体の中でも出色です。
今回、スタッフセレクトなので、選出された回は台詞多かったり動きが凄かったり、という感じですね。前回が物語の要所を押さえる感じだったので、ある意味、前回と今回を重ねるとダイジェスト……、圧倒的に足りないか。まあ、うん。よくある……。
ちなみにセレクトしたあと、二期十一話を見てみましたが、そのまま十二、十三と見て「やはりシメまでいかないとな……!」な気になりました。ええ。来場される方は、来られる前にBDなどでラスト二話の用意をしてから来られるといいんじゃないでしょうか。
ただ、やっぱ大画面で見たいクオリティですねコレ。小野さんが言っていたとおり、劇場クラスの出来だと思いますし、今回選出のどれも、大画面で記憶に残る情景ばかりだと思います。
では、来場される方、現場では宜しく御願いいたします。そうでない方も、当時の熱気を思い返したり、見直す契機になれば幸いです。
(りお、)
エンディングが原作の見開き絵カラー版で、これから本番!といった雰囲気が伝わるのも理由です(よめ)